平成21年新作名刀展出品刀 太刀 「薫山賞(第2席)」受賞作品

ご依頼主は、ある時、私の鍛刀場にお越しになり、その都度、普段拝見できないような名刀をお持ちになりました。

多くを語らずお見せ下さり、私は自然にその美しさを吸収していきました。そんな関係が一年続いたある日、「古いから良いのではない、新しくても良い物は良い。君に刀を注文したい。」と言われました。

大変嬉しい言葉でしたが、それと同時にとてつもないプレッシャーが私を襲いました。

ご依頼主の期待に応えたい一心で、一年をかけ製作に没頭しました。完成した作品をお見せした時、「良く出来ている。貴方だったら必ず出来ると思っていたよ。」とお褒めの言葉をいただき、胸を撫で下ろしました。
銘文「十年帰不得」は、寒山詩の一節(十年帰不得 忘却来時道)からいただいた言葉。長い修行を経て、修行の苦労は忘却のかなたに、無に至る心境を表しています。

 

 

小脇差

 

日本人の女性とカナダ人の男性がご結婚するにあたり、お二人のお守り刀として依頼を受けました。
茎から結婚指輪を切り抜いて欲しいと言う斬新なアイデアに戸惑いもありましたが、現代刀工として可能な限りお二人の気持ちに応えたいと思いました。
仕事に取り掛かると、想像以上の難しさに頭を抱える時もありましたが、完成した時の達成感は非常に大きいものでした。
私の作刀人生において、おそらく最初で最後となるこの作品です。


お二人の幸せを心から願っています。

In the spring of 2009, I received an order from a couple who were going to get married to create a Kowakizashi(小脇差)in commemoration of their marriage.Their request was an innovative idea.They asked me to cut out 2 rings which would be creat...ed as their
wedding rings from Nakago(茎) part. To be honest, I hesitated to do this because I might break traditional rules in history of Japanese swords. As long as I know, none of Japanese swordsmiths have never done it in the past.But living as a modern Japanese swordsmith, I thought I should challenge new field in swordmaking. After deep consideration, I finally made a decision to accept their request.This work was more difficult than I thought but I devoted myself to respond to expectations for them.In the autumn of that year, Kowakizashi(小脇差), the marriage sword, was completed and also Tamahagane rings were plated with gold by a jewelry designer so that they wear rings in daily life comfortably.I hope that they will live in happiness ever after.


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